澁江周堂:池田克己詩集「原始」跋より

(略)
著者の人間としての立派さ、藝術家としての巨大さについて、今更一言の說明をも致したくない。著者が身を挺して行ふ眞實は、一點の嘘僞の影も無い。虛僞こそは著者の蛇蝎の如く嫌ふものである。今の世に、凡そ得難い、巨人の如く毅然として立つ池田克巳。南京にあつて今や著者の精神は赫々と燃えさかつてゐるであらう。
(略)

昭和十四年十月十日 澁江周堂

2024年07月25日|池田克己:エピソード, 澁江周堂