同人誌「花」第一号空々録より
私たちは思想家でも政治家でもない純真無垢なる詩人であります。
戦争中も懸命に書きました。先の見通しなど少しも知らず、いやむしろ国家の大きな動きにはあわてふためいたり、オドオドしたり、感激したり、感傷したりして詩を書きました。
いやはやおはづかしい次第ですが、実のところそんな政治的、思想的なことにはちっともはづかしがってなどいません。
ただいい詩を書きたいばかりです。
いい詩とは何か。
花は何故美しいか。
あんまり理屈っぽくなることは止めましょう。(ほんとは理屈など知らんのですよ)
出典:木田隆文「日本未来派,そして〈戦後詩〉の胎動」